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健康づくり

心身を適度に使い 明るく生きていく

大阪府医師会理事 高井 康之

動脈硬化は生活習慣で予防

日本は超高齢化社会に突入していますが、元気で長生きをしたいのは、高齢者の皆様の最大の願いであると思います。

日本人の死亡原因の最大のものは、がんによるものですが、高齢者になると心臓病や脳卒中などの動脈硬化による病気のほうが重要になってきます。がんは早期発見して治療することが大事ですが、予防は簡単ではありません。動脈硬化も、生活習慣を改善することで、簡単ではありませんが、予防していくことはある程度可能です。

高血圧が影響大

人間は、血管とともに老いると言われ、老化が動脈硬化の最大の要因ですが、個人差が大きいことも事実です。百歳まで生きた人を調べてみると、血圧が高くない人が多く、タバコも吸わない人が多かったそうです。一般に動脈硬化を進行させるものとして、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病がよく知られています。しかし、高齢者では、高血圧が一番大きな影響を与えます。血圧が、140/90以上の方は、塩分の摂りすぎに気をつけ、十分に下がらない場合は、降圧剤も必要でしょう。

臓器の機能低下 脳で調和を

高齢になってくると、ひとつだけの病気でなく複数の病気をかかえている場合が少なくありません。人間の臓器は、年齢を重ねると徐々に、機能が少しずつ低下していきます。それを防ぐことは出来ませんが、調和させていくことは出来ます。心臓、腎臓、肝臓などの臓器ももちろん重要ですが、調和させていくのに一番重要なのは、脳です。そういった意味で、趣味や生きがいを持って、いろいろな活動に積極的に参加し、心身を適度に使うことが大切です。

「かかりつけ医」に健康相談を

健やかに老いるためには、ストレスを避け、適度の運動、適度の休息と睡眠、塩分を控えめにし、バランスの取れたやや少なめの量の食事を取り、禁煙を守って、明るく生きていくことだと思います。そして、大きな病気がなくても、ある程度の年齢になれば、健康上の相談をしてくれる自分にあった「かかりつけ医」を持つことが大事です。

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